就労継続支援B型から一般就労へ|「働きたい」を叶えるための道筋と支援

「B型事業所にいるけれど、いつかは一般企業で働いてみたい」
「うちの子は、B型の先に進めるんだろうか」
就労継続支援B型(以下、B型)を利用している方やそのご家族のなかには、「このままでいいのかな」「もう一歩先に進みたいけど、どうすればいいかわからない」という思いを抱えている方が少なくありません。
結論から言うと、B型から一般就労に移行することは可能です。そして、そのためのルートは一つではありません。この記事では、B型から一般就労を目指すときに知っておきたい仕組みや選択肢、準備のステップを、やさしい言葉で解説していきます。
B型から一般就労を目指すルートは3つある
「直接就職」「障害者雇用」「就労移行支援を経由」
B型から一般就労へ進む道は、大きく3つあります。
| ルート | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
| ① B型から直接、一般企業へ就職 | ハローワークや支援機関を通じて直接応募 | 体力・生活リズムが安定している方 |
| ② B型から障害者雇用枠で就職 | 企業の障害者雇用枠にエントリー | 配慮があれば働ける方。手帳が必要 |
| ③ 就労移行支援を経由して就職 | 最大2年間の訓練を受けてから就職 | ビジネスマナーやスキルを身につけたい方 |
「いきなり就職はハードルが高い」と感じる方には、③の就労移行支援を経由するルートがおすすめです。就労移行支援では、パソコン操作やビジネスマナー、面接練習、職場体験実習など、就職に必要なスキルを段階的に身につけることができます。
大阪府の調査データでは、就労移行支援を経て一般就労した方の6ヶ月後の職場定着率は90.9%。しっかり準備をして就職した方は、働き続ける力もついているということです。
「うちの子にはまだ早い」と思ったときに考えてほしいこと
B型での経験が「土台」になる
B型で過ごす時間は、決して「足踏み」ではありません。
毎日決まった時間に通うこと。作業に集中すること。スタッフや仲間とコミュニケーションを取ること。これらはすべて、一般就労に必要な力の土台です。B型での経験が積み重なっているからこそ、次のステップに進むための準備が整っていくのです。
大切なのは、「今はまだ早い」で止まらず、「いつかそうなるために、今できることは何か」を一緒に考えること。その視点を持つだけで、B型での毎日の意味が変わってきます。
本人の「働きたい」が一番の原動力
一般就労に向かう道のりで、最も大切なエンジンは本人の「働きたい」という気持ちです。
ただ、その気持ちは最初から強く持てるとは限りません。「自分にはできない」と思い込んでいたり、過去の経験から自信をなくしていたりすることもあります。だからこそ、B型のスタッフが日々の小さな成功体験を積み重ねて、「自分にもできるかもしれない」という芽を育てることが大切です。
一般就労に向けた準備チェックリスト
「次のステップに進めるかどうか」を判断するとき、以下のポイントが参考になります。すべて「完璧」でなくて構いません。「だいたいできている」項目が多ければ、十分に次のステージを検討できます。
| チェック項目 | 目安 |
|---|---|
| 生活リズム | 週5日、決まった時間に通えている |
| 体力 | 4〜6時間の活動を続けられる |
| コミュニケーション | 困ったときにスタッフに伝えられる |
| 作業への集中 | 指示を受けて30分程度は取り組める |
| 気持ちのコントロール | イライラしたときに自分なりの対処法がある |
| 身だしなみ | 清潔感を保てている |
| 交通手段 | 一人で通勤できる、または支援があれば可能 |
全部に自信がなくても問題ありません。就労移行支援では、まさにこれらのスキルを伸ばすためのプログラムが用意されています。「今はまだ半分くらい」でも、そこから伸ばしていけば大丈夫です。
2025年スタートの「就労選択支援」で道が広がる
2025年10月から、「就労選択支援」という新しい仕組みがスタートしました。
これまでは「B型に入ったからB型に長くいる」というケースが多く、「本当はもっと進めるかもしれないのに、きっかけがない」という課題がありました。就労選択支援では、専門のスタッフが本人と一緒に、希望・得意なこと・必要な配慮を丁寧に整理して、最適な次のステップを一緒に考えてくれます。
「B型のままがいいのか、移行支援に切り替えた方がいいのか、それとも直接就職を目指せるのか」——その判断を、一人で悩むのではなく、プロと一緒にできるようになった。これは大きな変化です。
就職がゴールじゃない——「働き続ける」ための支援
せっかく就職できても、続けられなければ意味がない。そう感じている方もいるでしょう。
就職後には「就労定着支援」というサービスを利用できます。これは、就職してから最大3年間、職場での困りごとや生活面の悩みを一緒に解決してくれる仕組みです。
「職場の人間関係がうまくいかない」「仕事の進め方がわからない」「生活リズムが崩れてきた」——こうした悩みに、支援員が企業との間に入って調整してくれます。就労定着支援の利用率が高い地域では、定着率8割以上の事業所が63.5%を占めるというデータもあり、「辞めずに続ける力」は支援で伸ばせることがわかっています。
よくある質問
Q. B型に通いながら一般就労の準備はできますか?
できます。B型に通いながらハローワークに相談したり、職場見学に参加したりすることは可能です。事業所のスタッフに「一般就労に興味がある」と伝えてみてください。一緒にプランを考えてくれるはずです。
Q. 障害者手帳がなくても一般就労できますか?
一般就労自体に手帳は必須ではありません。ただし、障害者雇用枠で働く場合は手帳が求められます。まずはどのルートで就職を目指すかをスタッフと一緒に検討するのがおすすめです。
Q. 就労移行支援に切り替えたら、B型には戻れませんか?
戻ることも可能です。就労移行支援を試してみて、やっぱりもう少しB型で力をつけたいと感じたら、改めてB型に戻る選択もあります。「一度切り替えたら後戻りできない」というわけではないのでご安心ください。ただし、自治体によっては一定の制限がある場合もあるため、詳しくはお住まいの自治体へお問合せいただくのが確実です。
Q. 工賃が低いのが気になります。一般就労すれば収入は上がりますか?
一般的には大きく上がります。B型の全国平均工賃は月額24,000円ほどですが、一般就労(障害者雇用を含む)では最低賃金以上が保証されるため、月収10万円以上になるケースがほとんどです。
茨城補成会「はたらくガッツ村」のご紹介
茨城県茨城町にある「はたらくガッツ村」は、社会福祉法人茨城補成会が運営する就労継続支援B型の事業所です。
はたらくガッツ村では、農作業や軽作業、カフェ、レストランでの業務など多彩な作業プログラムを通じて、「働く力」と「働きたい気持ち」を同時に育てる支援を行っています。「毎日通える生活リズムをつくる」ことから、「一般就労に向けたスキルアップ」まで、一人ひとりの段階に合わせたサポートが特徴です。
同じ法人内に生活介護の「あつまれガッツ村」や共同生活援助の「グループホームあつまれガッツ村」もあり、「働く」と「暮らす」をトータルでサポートできる体制が整っています。放課後等デイサービスの「ひぬまきっず」からつながってきた方も多く、ライフステージ全体を見通した支援が茨城補成会の強みです。
「このままB型にいていいのかな」「次のステップに進みたいけど不安」——そんな気持ちを抱えている方こそ、まずはご相談ください。見学は随時受け付けています。一緒に、あなたの「働きたい」の形を見つけていきましょう。
最終更新日:2026年5月13日